静岡県内で、ものづくりに携わる職人・技能者や関連イベントをご紹介
  1. HOMEイベントレポート > レポート
2011年10月7日 静岡県技能競技大会   配管 [清水テクノカレッジ] DIGEST 配管の技能競技大会の様子です。2種類のコースがあり、Aコース(実務経験5年未満)とBコース(実務経験が5年以上)です。課題には制限時間が設けてあり、採点は100点満点からの減点方式。作業工程、作品の完成度以外にも試験を受ける姿勢なども採点対象となります。普段とはちがう大会会場での張りつめた空気感によるプレッシャーの中、選手たちが課題作品に果敢に挑む姿が印象的でした。
配管とは
配管は、安全で快適な生活を営むための上・下水道、給・排水・衛生、空調、冷暖房の設備の設置に不可欠です。普段私たちが暮らしている建築物には、かならず職人が施工した配管設備が組み込まれています。また、紀元前の遺跡からも高度な配管技術がうかがえ、都市においてその機能は不可欠であり、重要なものです。
配管技能者は、給排水衛生設備、空気調和設備、冷暖房設備、消火設備などに配管材料を使用して水、油、ガス、蒸気などを送配するための設置工事を行う技能者です。
職人「技」といわれるには
今回の配管技能競技大会はAコースとBコースの2コースにわかれ大会スタートです。
Aコースは国家試験の2級レベルと同等です。時間は2時間30分。試験資格は実務経験5年未満。一方、Bコースは国家試験の1級レベルと同等です。時間は3時間30分。試験資格は実務経験5年以上の必要があります。

今回の参加者は合計11名。課題作品の難易度は大きく違いますが、100点満点からの減点方式で行われます。減点の対象は、設計どおりにつくられているかどうか、歪みや角度のずれなども減点対象となります。また、ネジ穴をつくった際に、パイプの中にできる「シャクレ」がきれいにカットされているかなど、細部にわたり審査のチェックがはいります。当然、配管なので水もれをしたら即失格となります。採点の基準はかなり厳しいようですが、少しのズレが大きな被害・損害を及ぼすことを想像すれば当たり前なのかもしれません。
「道具の使い方」や試験に対する「姿勢」も減点対象になりますので、選手たちは作業時間以外でも気を引きしめていく必要があります。競技の開催前、選手たちは、それぞれ作業しやすいようにと工具の配置にも気をくばります。

職人の世界においては、「技能」「技術」以外に道具を磨きあげ、感謝をし、事前準備を怠らないのは基本なのでしょう。 

試験官から説明があり、いよいよ競技大会の開始です。会場は一瞬にして、張りつめた空気に変わりました。最初に、用意されたベニヤ板に課題作品の原寸の設計図を書いていきます。平面の設計図を書く人、立体的に書く人、それらとは別に設計図を書かずに計算式だけを書く人、人それぞれ違います。
自分を信じて・・自分との対話
設計図終了後は、パイプのカットです。まっすぐに切らないと減点の対象となってしまいます。いっけん、簡単そうに見えるカットも「まっすぐに切る」というのは、素人ではなかなか至難の技ですが、選手たちは、あざやかな手つきでまっすぐに手早くカット。みごとです。

試験官であるベテランの職人さんが教えてくれました。
「皆それぞれの職場で何度も練習をして、先輩や親方からさまざまな指導を受けてきています。ここでは、設計図を書き終えるスピードはあまり関係ありません。むしろ、設計図を明確に書いた方がきれいに、早く、作業が進む場合もありますから焦ることはありません」とのこと。

その言葉どおり、ほとんどの選手がパイプカットに入る中、時間をかけて黙々と設計図を書く選手もいたりと時間配分、やり方は本当にさまざまです。また競技会では、たくさんの人達から見られるという、普段とは大きく違う環境となるため、選手たちにとっては、とてもやりにくい環境になっていることは間違いありません。選手たちは、平常心で普段どおりのペースで自分を信じて作業進めようと必死です。
作業を進める選手たちを見守る試験官から
「大会では、緊張でいつもの実力の半分程度しかだせない選手がほとんどです。でもこうして、競技大会に出場することによって、選手自身が自分のレベルを知ることができ、これを機に更に国家試験に挑む選手もいます。今後、こういった選手たちがこの業界を背負っていってもらえると思うと本当にうれしい」とこれからの業界の担い手へ向けて熱いエールを送っておりました。

選手たちは全ての工程を終了し、試験官へ作品の提出です。無事時間内に作業を終え選手たちも安堵の表情をうかべています。先に終了したAコースの選手からは「緊張して、あまり上手にできなかった。とても悔しい」といった声も。Bコースの選手からは「大会は、なれない環境と緊張でとても疲れました。作品のできばえも自分にとって100%ではなかったけれど、手応えは充分ありました。この手応えをもっていけば、来年の1級の国家試験は受かると信じています」といった頼もしい感想も聞かれました。

選手自身の向上心、チャレンジ精神こそが技能・技術力のアップにつながり、この業界の明るい未来へつながることでしょう。
インタビュー [INTERVIEW]
Question   競技大会に出場してどうでしたか? Answer ・緊張しました。いつもよりあまりうまくいきませんでしたが、良い経験になりました。
・緊張しました。でも、銅管の溶接はきれいにできたので良かったです。
Question   課題作品のできばえはどうでしたか? Answer ・作品については、納得してません。点数をつけるなら50点くらいですね。でも、とてもいい経験になりました。
・正直、今日の完成度はあまり納得していません。何度も練習してきましたが、緊張のあまり普段どおりにできませんでした。大会の出場で自分の課題がわかったので、次回がんばります。
・とにかく疲れました。作品についても80点くらいのできだったと思います。次回は、国家試験1級合格を目指します!
配管職種静岡県技能大会
上へ戻る
一つ前へ戻る
各ページ掲載の写真・音声・CG及び記事の無断転載を禁じます。
Copyright © 2011 静岡県ものづくり人材図鑑. All Rights Reserved.