静岡県内で、ものづくりに携わる職人・技能者や関連イベントをご紹介
  1. HOME静岡県ものづくり人材図鑑 > 職人・技能者
塗 装 小川 俊直 おがわ としなお [株式会社 小川塗装店] 塗装は心の美より 小川俊直さんは、建築塗装の小川塗装店の2代目です。父が大事にした言葉「塗装は心の美より」をしっかり受け継いでいます。色調、下地の材料、気温や湿度などを十分考えて仕事をします。長いあいだ美しく保たせる下準備ができているからです。下準備を「塗装への心」という言葉に置き換えることもできます。
プロフィール [PROFILE]
生年月日…昭和25年(1950年)12月22日
出身地……静岡県静岡市
所在地……[株式会社 小川塗装店]静岡市駿河区曲金3丁目3-44

・静岡県立静岡工業高校機械科卒業後、父の経営する株式会社小川塗装店に入社

◆平成11年(1999年) 社団法人静岡県技能士連合会 優秀技能士会長賞
◆平成12年(2000年) 静岡県知事賞 静岡県優秀技能者
全技連マイスターとは
全国技能士連合会が、職業能力開発促進法に基づき実施されている技能検定制度の特級・1級又は単一等級の試験に合格した技能士で、20年以上の実務経験と優れた技能及び活動実績を持ち、後進の育成並びに技能の伝承に熱心な技能士であると認定された方です。また、全技連マイスターが単なる名誉的な称号ではなく、現役として後進の指導などの活動に積極的に対応できることが重要な要件であることから、5年毎に更新を行っております。

・・・・・塗装職人とは・・・・・
お客様のご要望により壁などに塗装を施す職人。高度な技術と共に芸術的なセンスも必要とされます。
体に覚え込ませる
塗装工も、ほかの職人とおなじで体で技術と技能を覚えていきます。
小川さんは、工業高校で機械工学を学び、就職先も決まっていましたが、父の会社に勤め塗装工になることにしました。社長の息子とはいえ、職人の道は別です。小川さんもまずは、現場で兄弟子の手伝いや雑用をすることが第一歩でした。兄弟子たちは、塗装の基本や急所は教えてくれましたが、聞いて理解でき、それだけで塗装に必要な体になるわけがありません。小川さんは、現場での兄弟子の技をつぶさに見て、自分で試し、さらに考え、また見て試し考えを、繰り返しました。文字どおり見て習う見習いです。そうやって体に塗装の技術と技能を覚えこませました。

塗装業では、一人前に塗ることができ、思い通りに色がつくり出せるようになるには、5年ほどかかると言われています。小川さんは「短い年数でも、密度の濃い修行をすれば、2、3年で塗装の職人になれる」と言いました。きっと懸命に修行したからこそ、言えるのでしょう。
調色に技あり
塗装業のポイントの一つは「色」です。
塗装業者は多くの場合塗料メーカーに使いたい色を注文しますが、必要な量が少ない場合には自分たちでつくります。小川塗装店も同様です。ペンキを使ったベースの色は、赤(マゼンタ・M)・黄(イエロー・Y)・紺(シアン・C)・黒(ブラック・BL)・白(ホワイト・W)の5色です。この5色の混ぜる割合を微妙に調節しながら色をつくっていきます。調色と言います。それぞれの色をどのくらい使うか、これがはっきりわからないと、使いたい色を無駄なくつくり出すことはできません。職人の勘と経験がものを言います。

小川さんは、壁などの色を見ると調色がおおよそわかるそうです。ペンキの場合の調色の基本は、明度の高い色や一番出したい色からつくり、少しずつ調節しながら混ぜ合わせていきます。たとえば、ベージュなどをつくるときに、赤を入れすぎてしまったときには、紺色を入れてバランスをとるそうです。これを「赤を殺す」と言います。逆の場合もおなじで、赤と紺は補色として使われます。

ペンキは乾くと少し色が変わります。このことを頭に入れておかないと、のちのちの色調に狂いが生じます。これも職人の勘と経験でカバーするポイントです。「おなじ色をもう一度作るのはむずかしい」と小川さんは言います。塗装も一品生産です。
「結果がすべて」
「条件はどうあれ、結果がすべて」と小川さんは言います。下地の材質、施工工程、仕様などそれぞれの現場によって、条件は異なります。かならずしもいい条件がそろった現場ばかりではありません。その条件をクリアして完璧に施工するのが、職人の腕の見せ所です。塗装を施す面の材質とペンキが合わないと、塗装面にクラックができてしまいます。気泡が浮いて膨れができ、塗装が剥離してしまうこともあります。これでは、職人の仕事とはいえません。

「結果がすべて」と小川さんが言い切るのは、施工精度と仕上がり精度、出来栄えに自信があるからです。

施工現場の周辺環境への配慮も必要です。塗料が飛ばないように注意することはもちろんですが、万が一飛散した場合の対処も考えておくのは当然です。現場の近隣への事前のあいさつ回りも欠かしません。「現場の環境をよくすることが、良い仕事に結びつく」と強調しました。
インタビュー [INTERVIEW]
Question   この仕事を始めたきっかけはなんですか? Answer 父が塗装業だったのがきっけです。高校を卒業したら、塗装看板業に就職するつもりでしたが、高校を卒業したときに父の仕事が忙しかったから手伝っていたら、そのままここに就職しました。
Question   この仕事につくためになにが一番必要だと思いますか? Answer どの仕事もおなじですが塗装業も、けっして楽な仕事ではありません。根気が必要です。
そして、この仕事が好きになる気持ちです。ある程度、仕事ができるようになってくると現場を任せてもらえるので責任感をもってやることです。
Question   この仕事をしていてよかったことはなんですか? Answer 自分に技術もつことができ、雨風がしのげる家を持てるようになり、生活ができることがうれしいですね。そして、お客さまからいい評価をもらったときはなによりうれしい。小川塗装店の3代目がいます。先代から受け継いだ「塗装は心より」とともに塗装のやりがい、塗装のおもしろさとむずかしさ、そして技を伝えています。
上へ戻る
一つ前へ戻る
各ページ掲載の写真・音声・CG及び記事の無断転載を禁じます。
Copyright © 2011 静岡県ものづくり人材図鑑. All Rights Reserved.