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印 章 栗田 慎一郎 くりた しんいちろう [栗田印房] 誠心誠意 栗田慎一郎さんは、「誠心誠意」を座右の銘にしています。文字をデザインし、彫る自分の心のありようが作品として仕上げた印鑑に映ると思っているからです。印鑑は手のひらにのるほどの小さな物ですが、風格ある文字が個性を際立たせます。栗田さんがつくったものですが、その風格と個性は、持ち主のものです。
プロフィール [PROFILE]
生年月日…昭和9年(1934年)11月09日
出身地……静岡県静岡市
所在地……[栗田印房]静岡市常磐町1-5-10

・中学校卒業後、15才で栗田印房の二代目である父に弟子入り
平成10年〜平成13年 静岡県印章業協同組合 理事長を務める

◆昭和45年(1970年) 職業訓練指導員免許(印章彫刻)
◆昭和46年(1971年) 印章彫刻一級技能検定合格
◆昭和53年(1978年) 印章業協同組合技能競技会 ゴム印の部 金賞
◆昭和61年(1986年) 静岡県印章業協同組合 感謝状
◆平成15年(2004年) 関東印章業組合連合会 感謝状
◆平成15年(2004年) 静岡県技能士会連合会 感謝状
全技連マイスターとは
全国技能士連合会が、職業能力開発促進法に基づき実施されている技能検定制度の特級・1級又は単一等級の試験に合格した技能士で、20年以上の実務経験と優れた技能及び活動実績を持ち、後進の育成並びに技能の伝承に熱心な技能士であると認定された方です。また、全技連マイスターが単なる名誉的な称号ではなく、現役として後進の指導などの活動に積極的に対応できることが重要な要件であることから、5年毎に更新を行っております。

・・・・・印章職人とは・・・・・
お客様のご要望により印鑑などを作り上げる職人。高度な技術と共に芸術的なセンスも必要とされます。
風格と個性
朱入れ→字入れ→粗彫り→印面調整→墨打ち→仕上げ。
印鑑づくりの作業手順です。栗田さんは、粗彫り(字入れした印面の文字を彫り、かたちにする作業)は機械で行いますが、ほかはすべて手作業です。印鑑でもっともポイントとなる工程は、字入れです。文字をデザインして印面(印鑑を押印する面)に、左右逆の左文字を書き込む作業です。文字を直線的に書くことが正しいわけでなく、文字の特徴をつかみ、オリジナルな書体にします。このオリジナル性が、風格と個性を印鑑に与えることになります。

基本的な文字の書き方はありますが、持ち主となるお客さまが、できあがった印鑑手に持ったとき「おもしろい」と思ってもらえるような文字デザインにするよう、心がけています。いまの言葉で言えばレタリングでしょうか。栗田さんは、注文をいただいてから、どうデザインするか考える時間をとても大事にしています。

印鑑は、長年、人によっては一生愛着を持って使うこともあります。つくる側もそれに見合う心構えを持たなくては、いい印鑑はできない。栗田さんの信条です。
「心を磨く」
「文字は、その人の心や気持ちが映し出される」と栗田さんは言います。栗田さんは、小中学生を対象とした「WAZAチャレンジ教室」で印章づくりを教えています。こどもたちに楽しい気持ちになって、物づくりをしてもらいたいと思っています。印章づくりにかぎったことではありませんが、こどもが物事に興味を持つのは、おもしろさ、おどろき、不思議さです。栗田さんが教えるのは、印章づくりではなく、心の持ち方なのかもしれません。

文字を書きそれを彫る技術や技能を向上させることはもちろんですが、印章職人として「心を磨く」ことも大事にしています。きっと、こどもたちにも栗田さんの気持ちは伝わっているはずです。
栗田印房は、明治40年創業、すでに100年をこえた老舗です。100年間、この気持ちは変わらず、いったい、いくつの一つしかない印鑑をつくってきたのでしょう。
「篆刻(てんこく)」
印鑑の種類にはいろいろあります。わたしたちの生活で使う機会が多い印鑑の認印。役所の届出や不動産の取引、契約書などに使う実印。会社、団体、組合などで使用する社印、団体印。国、県、市、町などで使用する官印。職人や作家などが使用する個人の趣味印(落款印)などがさまざまな種類があります。

それらとは、別に栗田さんが趣味で続けているのが篆刻です。篆刻というのは、木、石などが使われますが、石印材が一般的です。漢字は中国の古代からつづいている文字です。漢字のルーツは甲骨文字(約3400年前)からあります。これらの文字が時代とともに形を変化しながら、現代の漢字となりました。甲骨文字→金文→古文→小篆→隷書→楷書(現代文字)の順で変化をしてきました。現在の印鑑も篆刻とおなじように小篆が多く用いられています。文字や彫る石の大きさの規定はありません。仕事が終ったあと、文字のデザインなどを何度も何度も書き直して作っていくそうです。文字は心が反映されるので篆刻のときも心を穏やかにして作業に入ることが大事です。
出来上がった作品は、日本篆刻展に出品するそうです。
インタビュー [INTERVIEW]
Question   この仕事を始めたきっかけはなんですか? Answer こどものころから父の背中を見て育ってきました。その影響もあり、中学校を卒業後、この道に入りました。昔は、印鑑がないと社会や仕事が成り立たないほど重要なものだったので、すごく大事な職種でした。今でも、この仕事はほんとうにおもしくやりがいのある仕事です。
Question   この仕事につくためになにが一番必要だと思いますか? Answer やる気です。器用さは、仕事をつづけていれば自然とあがっていきますので、まず好きという気持ちが大事になってきます。そのなかで、字で遊べる遊び心も大事になってきます。
Question   この仕事をしていてよかったことはなんですか? Answer でき上がった印鑑をお客さんに納品をしたときに、「おもしろいものができたね」と喜んでもらえることがうれしいですね。
Question   この仕事の魅力はなんですか? Answer この仕事は、終わりがありません。死ぬまで修行だと思えるのがこの仕事の魅力です。
自分の納得のいく字を追求できることです。
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