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板 金 松浦 源 まつうら はじめ [株式会社 松浦工業] 常に120%の力で仕事 松浦源さんの仕事は、建築板金です。屋根・外壁など建築工事の仕上げ工程に属し、雨仕舞いなど建物の耐久性にかかわるのはもちろん、美観にも影響を与えます。ゴール間近に力を抜くことはできません。松浦さんはいつも「120%の力」で仕事をします。それで建物は100%です。20%は、つくりあげた物への松浦さんの職人としての「想い」です。
プロフィール [PROFILE]
生年月日・・・昭和17年(1942年)12月14日
出身地・・・・・静岡市清水区
所在地・・・・・・[株式会社 松浦工業]静岡市清水区庵原町161-4

・中学校卒業後、昭和33年04月望月板金工業に弟子入り、昭和34年(1959年) 清水職業訓練所 入学(夜間)
・昭和37年(1962年) 清水職業訓練所 卒業
・昭和40年(1965年) 望月板金工業 退職
・昭和40年(1965年) 松浦板金工業 創業
・平成元年(1989年) 株式会社松浦工業 設立

◆昭和62年(1987年) 静岡県板金工業組合表彰(組合功労)
◆平成10年(1998年) 全日本板金工業組合連合会表彰(組合功労)
◆平成10年(1998年) 静岡県技能士連合会表彰(優秀技能)
◆平成18年(2006年) 静岡県建設産業団体連合会表彰(業界貢献)
◆平成20年(2008年) 静岡県優秀技能者功労表彰(知事功労表彰)
全技連マイスターとは
全国技能士連合会が、職業能力開発促進法に基づき実施されている技能検定制度の特級・1級又は単一等級の試験に合格した技能士で、20年以上の実務経験と優れた技能及び活動実績を持ち、後進の育成並びに技能の伝承に熱心な技能士であると認定された方です。また、全技連マイスターが単なる名誉的な称号ではなく、現役として後進の指導などの活動に積極的に対応できることが重要な要件であることから、5年毎に更新を行っております。

・・・・・板金とは・・・・・
平面の板材から、立体の製品を制作する一連の作業で、材料の選択、切る、叩く、曲げる、繋ぐという、工業製品の制作に必要とされる広範囲な作業内容が含まれており、幅広い知識と高い技能が要求されます。我々の生活の中で、屋根、外壁、金物工事など多くの場所で板金の仕事は必要です。
反復練習
「やり直す仕事はするな」松浦さんは修行時代に親方から、きつく言われました。何事に限らず、なにかを覚えようとするとき、もっとも大事なことは反復練習。復習を繰り返し繰り返し練習することです。わからないことを覚えようとしても、結局は我流でしかありません。それを師匠にやって見せたところで、見向きもされないでしょう。技は正しく身につけてこそ、その道の技です。

こどものころから、ものづくりが好きで、将来は金属を細工・加工する仕事をしたかった松浦さんは、中学校を卒業すると、すぐ板金の親方に弟子入りしました。松浦さんは、親方から板金の技術を叩き込まれたことはもちろんですが、その仕事振りや作った製品を隅ずみまでくわしく見極めよう、わずかなことでも見逃すまいと目を皿のようにして見つめました。そして、教えられたこと、観察したことを忘れないために、自分でも同じことができるまで、何度も何度も試しました。

きっと松浦さんは、技を体に覚えこませるには、反復練習、復習こそ、一番の近道だとわかっていたにちがいありません。仕事の現場に臨んで、迷わず製作できるために、親方からきつく言われた「やりなおしの仕事をしない」ためです。
正しい知識と磨かれた技能
かつては、板金もすべて手作業でした。
今は機械を使う工程も増えました。しかし、機械を使うにしても、基礎・基本を知らずに機械は扱えません。精密な加工を機械に行わせるのは人です。たとえば、金属の特徴や癖を見抜いて加工することが必要な場合、機械がそれを知っているわけではありません。このくらいの塑性(そせい)だからこれだけ加圧する、決めるのは人の正しい知識と磨かれた技能です。松浦さんは職人として、仕事としての細かさと厳しさを、弟子に教えています。

松浦さんは、板金の技能を生かして、金属でお面をつくってみたいと思っています。板金の技法の「打ち出し」など自在に使いこなした、遊び心です。いままで、このようなことを試みた人がいたかどうか知りませんが、おもしろい試みです。また、ヨットが趣味で外洋にも出ます。これも、磨き込んだ技能による、新しいことへの挑戦が、職人魂を奮い立たせているのでしょう。
「板金は生きている」
「板金は生きていて、伸び縮みする。その性格を理解して折り加工しないと、寸法どおりにはいかない」と松浦さんは言います。たとえば、20cmの金属板を均等に真ん中の10cmの所で折り曲げるとする。このとき、両面は1mmの板なら10.05cmになります。金属板は、折り曲げたとき、かならず伸びます。その伸びる長さを計算していないと、寸法がバラバラになってしまいます。金属板は元のかたちに戻ろうとする力が働きます。折り曲げる圧力や角度も計算して0.01mm単位での調整が必要になります。材質によって、加工の仕方がちがいそれぞれの癖を十分理解しておかないと、品質がよく、きれいな製品にはなりません。

「板金は常に同じことがおこらないから奥が深くおもしろい」こう言いました。さらにつづけて、板の癖や0.1mm単位で調整する技を覚えるためには「常に日余の仕事を観察し、挑戦する気持ちを忘れないことだ」と語気を強めました。
インタビュー [INTERVIEW]
Question   この仕事を始めたきっかけはなんですか? Answer こどものころからものづくりが好きで、鉄を扱う仕事がやりたかった。叔父が望月板金を経営していたので、そこで働き始めたのがきっかけだった。
Question   この仕事につくためになにが一番必要だと思いますか? Answer 根気が大事です。仕事をしていると、つらいこともたくさんあります。でも、前向きな姿勢をくずさず、あきずに、こりずにやることです。与えられた仕事はまじめにやること。そして、努力や挑戦することも必要です。努力にまさる天才なしです。
Question   この仕事をしていてよかったことはなんですか? Answer 後世に残る仕事ができたことです。仕事は住宅関係だけでなく、お寺などの屋根も板金を使う仕事もあります。わたしが死んでも100年は大丈夫だと思っています。また、従業員にも恵まれてうれしいですね。
Question   この仕事の魅力はなんですか? Answer 板金は非常に奥が深いので、それが魅力です。銅板、鉄板は生きているのでそれをどのように使うか考えることが楽しいですし、魅力の一つでもあります。
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