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タイル張り 杉山 勝司 すぎやま しょうじ [有限会社 清水タイル] もっとも適した工法で 住まいの材質や寸法を決めるのは、建築主と建築士です。しかし、専門職種がたずさわる工事の施工方法までは、多くの場合決まっているとは限りません。タイルについて言えば、手張り工法にするか、先付け工法にするかなど、職人が設計図面と現場を見て、もっとも適した工法で施工します。杉山勝司さんたち、職人の腕の見せ所です。
プロフィール [PROFILE]
生年月日・・・昭和12年(1937年)2月11日
出身地・・・・・静岡県静岡市
所在地・・・・・[有限会社 清水タイル]静岡市清水区辻4丁目8-26

昭和27年(1952年) 清水区(旧清水市)山梨タイル 入社
昭和34年(1959年) 有限会社 清水タイル 設立

◆平成17年(2005年) 厚生労働大臣認定 卓越技能者「現代の名工」
◆平成18年(2006年) 黄綬褒章
◆平成22年(2010年) 静岡県知事賞 タイル張り工
◆平成22年(2010年) 静岡県技能マイスター 
「現代の名工」とは
卓越した技能者表彰制度に基づき、厚生労働大臣によって表彰された卓越した技能者(卓越技能者)の通称です。
卓越した技能者表彰制度は、技能者の地位と技能水準の向上を図るために、昭和42年(1967年)度に設けられたもの。表彰を受ける者は、都道府県知事や事業者団体などの推薦を受けた候補者の中から、技能者表彰審査委員の意見を聴いた上で、厚生労働大臣によって決定されます。

・・・・・タイル張り職人とは・・・・・
タイルといえば形状は隙間無く敷き詰めるため正方形や長方形など四角形が多いが、不規則な形状のものもあります。材質は一般的に陶磁器製のものを指すことが多い。色彩も様々で、一枚一枚に模様があるものや、色の違うものを多数並べることで大きな絵とする場合もあります。通常、タイルは一枚一枚接着剤・モルタル・金物によって固定され、非常に手間がかかり、施工技術も要求されます。
これらの作業を行う特殊技術をもった人たちをタイル張り職人といいます。

タイルの特殊なものとしては、スペースシャトルなどの宇宙船の外装に使用される耐熱タイルがあります。
「名のとおった職人になる」
山梨タイル店は、タイルのほかに左官、屋根、石工も営業種目にしていました。杉山さんは、6年間の修行でこの4職種の技能を一通り修得しましたが、あれもこれもは性にあっていなかったのでしょう。仕事をしていて楽しく、自分の性分に合い、やりがいもあると感じ、タイルを選んだと話しました。

「タイル張りだったら人に負けない」と確信させるほど、6年間の修行は、杉山さんに一生の仕事としての技を、一芸に秀でることができると確信させるほどの技にしていたのでしょう。「独立するからには、名のとおった職人になりたい」「タイル張りだったら杉山だ」「清水のタイル張り職人は俺だ!」と言う思いを込めて、屋号も地元の市の名称を取って「清水タイル」としました。22歳の若者の独立の意気込みが伝わってきます。

独立してからは、さらに技術と技能に磨きをかけ、一途に仕事に打ち込み、静岡県タイル煉瓦工事協会で業界活動にも力を入れ、弟子も育て、業務精励で黄綬褒章も受章し、静岡県のマイスターにも認定されました。独立したときの想いを、杉山さんはかなえました。
利点を生かす
タイル業界にも時代とともに変化していくことには変わりありません。
ユニットバスやシステムキッチンなどの普及による建築物の水周りの材質と製品の変化、下地のモルタルから接着剤への変化、タイル自体の用途に応じた製品の多様化、経費節減にともなう工期縮減。杉山さんは、これらの傾向を「悪いともいえないし、よいともいえない」と困惑の様子です。たしかに施工の効率と能率は上がったし、剥離・落下などの施工の不具合も減りました。しかし、一方でコスト縮減による低単価施工を余儀なくされ、企業経営への影響もあります。職人の高齢化と若年従事者の減少、一社単独では後継者育成もままならない状況です。

タイルは、経年劣化がほとんどなく、耐候性、防水性に優れ、メンテナンスが比較的容易で、意匠的にも美しいという利点があります。優れた建設資材のタイルの業界を衰退させてはならないと、杉山さんは「職業訓練校で若い人を育て、この業界をもっと盛り上げていきたい」「職人の平均年齢が高い。もっと下げないと…」と、世代交代が思うように進まない現状に、危機感をつのらせています。
精密できれいな仕上げにこだわり
杉山さんがタイルを張るときに心がけていることは、デザインと配色です。タイル張りは、壁の表面に浮き上がらず平面的にしかも目地もそろえて張り付けます。張りつける壁の面積のなかで正確で効率的な割付をするのは簡単なことではありません。

いまは、建築主と建築士が使う材質や寸法を設計段階であらかじめ決めておきますが、施工方法は担当の職人が図面と現場の状況によって判断します。縦に張るか横で張るか、目地割り(意匠的にうつくしく納まりよく目地を割り付けること)はどうする、下地はなにを使うか「ここからが職人の見せ所です」「ただ張りつけるのではなく、タイル一個一個に気持ちを込めて張るのが職人としてのプライドだ」と杉山さん。

建築主も、昔とは違って、多くの情報を持っています。なかには1ミリ単位で要求も出て、職人としてのやる気をかき立てます。だからこそ「お客さまの要求に忠実にこたえ、精密できれいな仕上げにこだわっています」
インタビュー [INTERVIEW]
Question   この仕事を始めたきっかけはなんですか? Answer 中学校卒業する前に、家に工事にきた山梨タイルの親方が自分の弟子にしたいと言われたのがきっかけでこの業界に入りました。この業界に入って、つらいこともたくさんありましたが、陰で家内が支えてくれたからこそ、いまの自分があります。本当に感謝しています。
Question   この仕事につくためになにが一番必要だと思いますか? Answer タイルは、細かい仕事が要求されるので器用さは重要になってきます。
職人であれば、この仕事一筋にやっていくことも大事です。そのためには、努力です。現場では、いろいろな人や職人と出会いますのでコミュニケーション能力も必要です。建築主、建築士、元請け業者、専門工事業、互いにコミュニケーションを充分とりながら仕事を進めれば“モチベーションもあがってくる”その出会いを本当に大切にする仲間意識も大事です。
Question   この仕事をしていてよかったことはなんですか? Answer お客さまから喜ばれることや感謝されることがうれしいですね。そして、この仕事で多くの人に出会えたことも嬉しいです。この仕事をしていたから、いまの恵まれた環境にいると思っていますから、タイル職人になって良かったです。
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