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婦人服仕立て 前嶋 玲子 まえじま れいこ [前嶋玲子デザインルーム] 「洋裁は、自分からはずせない」 子供のころに夢中になったこと、なりたいと思ったこと、それを大人になっても持ちつづけて、一生の仕事にまでする人はそんなにいません。前嶋玲子さんは、小学校5年生のころから洋裁が好きになり、中学生の時には自分の洋服は自分でつくっていました。「どんなことがあっても、洋裁は自分からはずせない」。「はずせない」に力を込めて言いました。
プロフィール [PROFILE]
生年月日・・・昭和16年(1941年)6月7日
出身地・・・・・北海道伊達市
所在地・・・・・[前嶋玲子デザインルーム]富士宮市小泉704-11

・21歳で結婚、富士市広見町に居住。洋裁の勉強を始める。
・昭和46年(1971年) 東京・代々木の文化服装学院通信教育科 入学、
 昭和47年(1972年) 同学院服装課程に編入、昭和48年(1973年)卒業
・昭和50年(1975年) 富士市と富士宮市の成人学校の講師
 前嶋デザインにルームを設立

◆昭和47年(1972年) 文部大臣賞
◆昭和47年(1972年) 文化服装学院長賞
◆昭和54年(1979年) 内閣総理大臣賞
◆平成04年(1992年) ドレスメーキング賞
◆平成10年(1998年) 優秀技能士表彰
◆平成15年(2003年) 静岡県優秀技能者表彰
◆平成18年(2006年) (社)全国技能士会連合会 全技連マイスター
◆平成23年(2011年) 全国技能士会会長賞
◆平成23年(2011年) 技能コンクール クチュール賞
全技連マイスターとは
全国技能士連合会が、職業能力開発促進法に基づき実施されている技能検定制度の特級・1級又は単一等級の試験に合格した技能士で、20年以上の実務経験と優れた技能及び活動実績を持ち、後進の育成並びに技能の伝承に熱心な技能士であると認定された方です。また、全技連マイスターが単なる名誉的な称号ではなく、現役として後進の指導などの活動に積極的に対応できることが重要な要件であることから、5年毎に更新を行っております。


・・・・・婦人服仕立てとは・・・・・
お客様の着用目的、体型的なデザインの要望に応え、最高の婦人服に仕立て上げること。
変化を進化に
服飾業界は変化の激しい業界です。
前嶋さんは、挑戦する気持ちを失わないようにしています。新しいことを吸収し自分のレベルを上げようと心がけています。きっと、前嶋さんにとって新しいことへの挑戦、変化に眼をこらすことは自分の技術や技能の進化への力となっているのでしょう。

前嶋さんの週間スケジュールは富士市と富士宮市の公民館で開かれる洋裁教室の予定が毎日入っています。40年近くここで多くの人たちを教えてきました。生徒の出入りも多かったことでしょうし、世代も入れ替わり、服装の流行、生徒の要望や期待にも変化があったはずです。公民館での教室形式の授業ですから、高度な技術と技能の指導やプロの養成ではないかもしれません。でも、40年間も洋裁教室が続くには、前嶋さん自身も変化に敏感でなかったら可能ではありません。

「考えて動くことが大事」だと前嶋さんは言いましたが「考えて」を「新しいことに関心を持ち吸収する力」「動く」を「いまの自分に満足することなく進化すること」と言い換えてもいいでしょう。
手づくりにこだわる
あたたかみ、個性が豊かで、一品の価値、自分だけのもの、「手づくりのよさ」はよく言われます。前嶋さんは、自分が着る洋服はすべて自分でつくっています。私たちは、自分のことは自分が一番よく知っていると思いがちです。でも、自分の体形に合った服はどんな服か、自分に似合うデザインはどのようなものか、色はどうかなど、本当に知っているでしょうか。服を手づくりするとは、自分を客観視して、自分を知ることに通じないでしょうか。

自分の好みが、いままでとは違うことに気づくかもしれません。前嶋さんは「自分が好きなシルエットや体にあった寸法の洋服は、自分でつくれば、ほんとうにきれいに仕上がる」と言います。それは自分を知っているからです。だから、前嶋さんは洋裁教室に通う生徒にも、技術が身についたら「洋服は自分でつくりましょう」とすすめます。服装は、品性にかかわってきます。自分の品性を高めるためにも、前嶋さんがすすめるように、手づくりしてみるのもいいでしょう。
常に学び感性を磨く
前嶋さんは「さりげないおしゃれ」をデザインや仕立てで表現しようと心がけています。さりげなさは、言葉ではうまく言いあらわせません。感性の問題です。全体のバランスとポイントの置き所、デザインと生地の色の兼ね合い、ディテールの納まり具合。ひとつひとつの工程を丁寧に仕上げることはもちろんですが、こういったほどよい調和が、服の品格につながります。

その感性を磨くために、前嶋さんは、「人から学ぶ姿勢を大事に」しています。「頭を柔軟にし、常に自分の外界にアンテナを張りめぐらせている」と、独りよがりに陥ることをいましめています。人との会話、人の仕草などのちょっとしたことが、発想やデザインのヒントになることは前嶋さんのような仕事でも同じです。そうやって感じたことは、その場では役立たなくても、心の引き出しに感性としてため込んでいるようです。
インタビュー [INTERVIEW]
Question   この仕事を始めたきっかけはなんですか? Answer 親がいろいろな小物や着物をつくってくれていたこともあり、小学生5年生のときから、洋裁が好きで人様と同じ服を着るのが嫌いでした。それから文化服装学院の卒業生の家庭科の先生から、洋裁の指導を受けていたのがきっかけでした。中学校のときにはもう、自分の洋服は自分でつくっていました。
Question   この仕事につくためになにが必要だと思いますか? Answer 好きである気持ちが大切です。洋裁は細かい作業が多く大変ですが、それに負けない良い物をつくりたいという根気が大切です。自分を美しく見せるためのこだわりも大切です。
Question   この仕事をしていてよかったことはなんですか? Answer 長年ファッションに携われたことです。ここまでこられたのも、本当に人に恵まれたからだと思います。そして、いままで培ってきた技を人に伝授できることもうれしいです。人を美しくできることもうれしいし、この仕事の魅力でもあります。
Question   油絵で表現力を養う Answer 前嶋さんは、油絵を長いあいだ描いてきました。建築家だったお父様の影響があったそうです。多くのコンテストに応募し、雑誌にも取り上げられ、美術館にも収蔵された絵もあります。油絵は、本業の婦人服仕立てに、たいへん役立ち、参考になると言います。画家は、描く対象のなかにさまざまな色を見出します。デッサンも、対象を正確に見てその形状やそれぞれの部位の関係を正確に理解し、それを表現できなければなりません。前嶋さんも、油絵を描くことで、色彩感覚と表現の構成力を見につけました。本業に長けた(たけた)人の感覚は、ものを見る眼もちがいます。
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