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左 官 川島 進 かわしま すすむ [株式会社 川島左官] 火事を減らしたい 壁の大きな用途の一つは、遮断です。風雨、光、音、熱、人や動物が建物のなかに入ってくることを防ぎます。川島進さんの仕事の左官は、この壁をつくることです。日本建築では、防火壁として土壁を用いてきました。土蔵はその典型です。川島さんは“火に強い壁をつくって火事を減らしたい気持ち”を強く持っています。
プロフィール [PROFILE]
生年月日…昭和14年(1939年)3月4日
出身地……静岡県富士市
所在地……[株式会社 川島左官]富士宮市山本197-2

・中学校卒業後、米山左官工業(富士市)に弟子入り。その後、池上左官工業に勤務。
・昭和41年(1966年) 川島左官 開業
・昭和51年(1976年) 法人組織に移行 株式会社 川島左官


◆平成07年(1995年) 全国技能士会連合会 会長賞
◆平成09年(1997年) 静岡県優秀技能者 静岡県知事賞
◆平成12年(2000年) 静岡県保護司連盟会長賞
◆平成14年(2002年) 関東地方保護司連盟会長賞
◆平成19年(2007年) 厚厚生労働大臣認定 卓越技能章「現代の名工」
◆平成20年(2008年) 黄綬褒章
◆平成20年(2008年) 静岡県技能マイスター認定(しずおかの匠)
「現代の名工」とは
卓越した技能者表彰制度に基づき、厚生労働大臣によって表彰された卓越した技能者(卓越技能者)の通称です。
卓越した技能者表彰制度は、技能者の地位と技能水準の向上を図るために、昭和42年(1967年)度に設けられたもの。表彰を受ける者は、都道府県知事や事業者団体などの推薦を受けた候補者の中から、技能者表彰審査委員の意見を聴いた上で、厚生労働大臣によって決定されます。

・・・・・左 官とは・・・・・
左官とは、建物の壁や床、土塀などを、こてを使って塗り仕上げること。
日本家屋の壁は、竹などを格子状に編んだ小舞下地(こまいしたじ)の両面に、藁(わら)を混ぜた土を塗り重ねる土壁、消石灰・麻等の繊維・糊でつくった漆喰(しっくい)が用いられるが、それらの仕上げに欠かせない職種であり、また、かつては土蔵の外壁やこて絵など、技術を芸術的領域にまで昇華させる職人も現れた。
「手元三年鏝三月」 
左官の修行をあらわす短い句に「手元三年鏝三月(てもとさんねんこてみつき)」があります。手元は、職人の手伝いをする補助職と言った意味で、雑用と言ってもいいかもしれません。鏝の扱いは三日でできる、手元仕事はそうはいかない、左官の基礎だからはるかに大事だ、おろそかにしてはいけないと、いましめています。川島さんは、中学校を卒業しその日に左官の親方のもとに弟子入りしました。朝はだれよりも早くおき、事務所の掃除をすませ、自転車にリヤカーをつけ、自分の体重ほどもあるセメント50kgなど左官の材料を載せて現場に。現場では、兄弟子の手元仕事、現場から帰ってくると、鏝などの道具洗い。こうやって、材料のつくり方、現場での身のこなし方、兄弟子たちの指図の意味、道具の大切さなど「左官の仕事」を覚えていきました。1年ほどたってやっと鏝を持ってもいいといわれたそうです。鏝を使って塗る楽しさおもしろさを覚えたころ、親方に言われたことを、川島さんは今でも忘れません。

「早く仕上げなくてもいい。自分が納得できる仕事をやれ。急所をつかめば早く仕上げることができる」「手元三年鏝三月」は左官の急所なのでしょう。 
きれいな現場が出来栄えに 
左官は、建物の壁や床などを鏝で塗り仕上げる仕事です。壁や床は人の目にふれる部位ですから、出来栄えが求められます。川島左官は、個人住宅を多く手がけますが、住まう人に気に入ってもらうように仕上げることが一番の条件です。いくらきれいな壁、職人好みの壁でも、住まう人が気に入らなければなにもなりません。「お客さんが喜んでもらえるように仕上げること」、これが川島左官の企業理念です。きれいで住まう人の好みに合った出来栄えの壁は、心地よい居住空間になります。

出来栄えだけではありません。川島さんが手がける建築現場は、整理整頓されたきれいな現場です。建築主は、期待に胸をふくらませて現場を見に来ます。乱雑で汚れが目立つ現場は、出来上がりへの建築主の不安をいだかせかねません。そのうえ、そこで働く人たちの労働災害の原因にもなりかねません。川島さんが心がけていることです。
 
「技術が優れているだけではダメ」 
川島さんの好きな言葉の一つは「奉仕」です。自分を育ててくれた先輩、仕事を発注してくる元請業者、出来栄えをよろこんでくれる建築主、業界に人たちとの交流、多くの人びととの出会いや触れ合いがあって、いまの自分があると思っています。「先輩たちに恥じない仕事をする」ことを心がけ、多くの賞を受賞し、業務精励で黄綬褒章も受章しました。

「これからは、その人たちへの恩返し」だと、自分に言い聞かせ、後進の育成や技術の伝承にも力を入れています。仕事だけではありません。川島さんは、犯罪や非行に陥った人の更生を支援する保護司も務めてきました。これも奉仕であり、社会への恩返しの実践です。
「表彰や褒章に見合った職人とは、技術が優れているだけではだめ。(人間としての)品性を持ち、業界活動や後継者育成にも携わることも大切だ」と強調します。
 
インタビュー [INTERVIEW]
Question   この仕事を始めたきっかけはなんですか? Answer 兄が大工をしていて、お付き合いがあった米山左官を紹介されたのがきっかけです。一番の理由は、火事を減らしたかったんです。漆喰などを塗る左官の仕事は、火事から人や建物を守ることもできるので、この仕事をはじめました。
Question   この仕事につくためになにが必要だと思いますか? Answer 左官の仕事は、体力でも精神的にも辛いことがたくさんあります。それに負けない根気が必要です。それと、高い技術が必要とされますので、努力と人に負けたくないという負けん気も必要です。
Question   この仕事をしていてよかったことはなんですか? Answer 人に評価されることです。それと、いままで培ってきた技術を後世に伝承できるようになったことです。技能検定、人材育成もやりがいがあります。
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