静岡県内で、ものづくりに携わる職人・技能者や関連イベントをご紹介
  1. HOME静岡県ものづくり人材図鑑 > 職人・技能者
煙火技師 小口 昭三 おぐち しょうぞう [三遠煙火株式会社] 一瞬の煌めきに 花火・・・無数の火花が夜空にちりばめられて、きらめきの造形が漆黒の夜空をスクリーンにして輝き、残照もあざやかに消え去ります。ほんとうにきれいです。世の中には「なぜ」を解き明かさず、感動のまま心に焼きつかせたほうがいいものがたくさんあります。小口昭三さんは、60年の長きにわたって、人々に感動をあたえる、きれいでたのしい花火をつくりつづけています。
プロフィール [PROFILE]
生年月日…昭和3年(1928年)11月18日
出身地……長野県諏訪市
所在地……[三遠煙火株式会社]静岡県湖西市梅田354

・昭和21年(1946年) 長野県立岡谷工業高等学校卒業
・昭和21年(1946年) 日本無線株式会社に就職
・昭和27年(1952年) 湖西市に住居を移し、花火工場設立 初代社長
・昭和29年(1954年) 社名を三遠煙火株式会社とし代表取締役社長に就任
・平成12年(2000年) 同社取締役会長に就任

◆昭和40年(1965年) 静岡県知事賞 危険物優良者
◆平成12年(2000年) 全国火薬類保安協会会長賞
◆平成15年(2003年) 静岡県優良技能表彰
◆平成18年(2006年) 厚生労働大臣認定の卓越技能賞「現代の名工」
◆平成19年(2007年) 黄綬褒章
◆平成21年(2009年) 消防庁長官賞
「現代の名工」とは
卓越した技能者表彰制度に基づき、厚生労働大臣によって表彰された卓越した技能者(卓越技能者)の通称です。
卓越した技能者表彰制度は、技能者の地位と技能水準の向上を図るために、昭和42年(1967年)度に設けられたもの。表彰を受ける者は、都道府県知事や事業者団体などの推薦を受けた候補者の中から、技能者表彰審査委員の意見を聴いた上で、厚生労働大臣によって決定されます。

・・・・・煙火技師とは・・・・・
自分で構想した花火を、自分で火薬を配合し、造り上げ、そして打ち上げる人。
「たまやー、かぎやー」
「たまやー、かぎやー」、みごとな花火が上がった時の見物客の歓声と褒めたたえです。

いまでも花火大会の会場の定番の掛け声です。この掛け声が生まれたのは、江戸時代中期、「両国の川開き」で打ち上げられた花火からと伝えられています。「たまやー、かぎやー」は花火師の「玉屋」「鍵屋」です。江戸に住む人びとの花火への想いが、今も伝わってきます。この掛け声を聞いた鍵屋と玉屋の花火職人たちは、どんな気持ちだったでしょう。「してやったり」と、さぞかし鼻高々だったでしょうし、よろこんでもらえて「ヨーシッ、つぎはもっとすばらしい花火を打ち上げてやる」と意気込んだにちがいありません。

両国の川開きの花火は、今も夏の恒例行事、風物詩になっている隅田川花火大会につながっています。小口さんたち現代の花火師も、江戸時代の職人たちとおなじ想いをもって、全国各地で開かれる花火大会での見物客から「たまやー、かぎやー」の掛け声を待っているはずです。
火薬の手品師
小口さんと話していると、いろいろな化学物質や化学用語が出てきます。過塩酸カリウム、酸化銅、炭酸カルシウム、硝酸バリウム、白色アルミニウム、焔色剤、酸化剤、可燃材……。化学の実験室にいるような気がしてしまいます。すべて花火の材料です。これらを正確に調合することによって、夜空を彩る鮮やかな光の華々にしあげます。花火を発明した人が誰かは知られていませんが、火薬をこんなにまできれいで、しかも遊び心もある、楽しい物にしてしまうなんて、まるで手品師です。

もちろん、見物客の賞賛を得るまでには、色や形の確認のために何度も何度もテストを繰り返すと、小口さんは言います。花火も自分の思っているような花火になるまで、アイデアを思い浮かべる創造力、手間、工夫をかけ、根気と妥協をしない職人の気構えが必要です。

三遠煙火の花火は「ふくろい遠州の花火」(静岡県袋井市) 「諏訪湖の花火大会」(長野県) 「大曲の花火大会」(秋田県)など、全国的に有名な花火大会で毎年打ち上げられています。
日本の花火は世界一
日本の花火の特徴は、まんまるく開く「菊花花火」が代表的です。外国の花火は円筒型でできており、大きく空に広がらず、火薬の種類も一種類のものが多いと言われています。それと違って、日本の花火は球状で複雑な形状をしています。菊花花火は、価格が高いと言われながら美しさが好評で(最近の円高で少々ですが)外国へ輸出されているようです。

菊花花火の特徴は、まんまるく、大きく、夜空に広がります。そして、一つの星(球)が一斉に二色、三色と変わります。一つの円でなく、芯物という芯を二重、三重の星をつくります。星を、昔からある飴菓子「変わり玉」を想像してみると分かりやすいでしょう。外から段々と色が変化していきます。花火もこれと同じです。違った色の火薬が二層、三層に固められています。この技法は、日本人ならではの手間をかけ、作業上の危険も多く完璧な仕上げはやはり職人の技です。この技法は、代々昔から伝わってきた花火師の血と汗の結晶だそうです。

大きい花火は20号で打ち上げの高さが500m、開いたときの大きさが直径約480m。30号で打ち上げの高さが600m、直径約550m。また40号で打ち上げの高さが800m、直径約800mという大きさのものもあります。迫力と美しさなどの芸術性が世界でも認められ、現在多くの国で驚きと感動を与えています。煙火師・花火師たちの腕の冴え「こんなこともできるんだ」と小口さんはみんなに感動してもらえる花火をつくることにこだわっています。
インタビュー [INTERVIEW]
Question   この仕事を始めたきっかけはなんですか? Answer 実家が煙火師で兄の指導により開業。
Question   この仕事につくためになにが必要だと思いますか? Answer 真面目にやることが大切です。
いい加減にやると、火薬を扱っているので危険です。先輩の言うことをしっかり聞く姿勢が大事です。
器用な人のほうがいいですね。又、研究心をもつことも大切です。
10年くらいは修行期間で、それに耐えられる根気も必要になってきます。
他、資格として以下3つが必要となります。
①火薬類製造保安責任者 ②火薬類取扱保安責任者 ③危険物保安責任者
Question   この仕事をしていてよかったことはなんですか? Answer 長い間つづけられてよかったと思っています。
努力してつくった花火が、きれいに打ち上がったときは、本当にうれしい。
上へ戻る
一つ前へ戻る
各ページ掲載の写真・音声・CG及び記事の無断転載を禁じます。
Copyright © 2011 静岡県ものづくり人材図鑑. All Rights Reserved.