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配 管 加藤 鴻三郎 かとう こうさぶろう [株式会社 鴻工業所] うつくしく仕上げる 加藤鴻三郎さんは、水道の配管工です。水道はライフラインです。水道管は地中に埋められていて、人目に触れることはめったにありません。でも、加藤さんは「いつも、うつくしく仕上げること」をモットーにしています。それが、漏水や管割れを防ぐ一番の方法だと思っているからです。うつくしく仕上げるには、道具を大切に扱うこと、現場に入るときはきちんとあいさつするなど、職人としての基本的な心がけを大事にしています。
プロフィール [PROFILE]
生年月日…昭和17年(1942年)11月26日
出身地……静岡県沼津市
所在地……[株式会社 鴻工業所]沼津市大諏訪515-2

・昭和37年(1962年)3月 静岡県立沼津工業高等学校(定時制) 卒業
 同年4月 静岡県職業訓練校設立にともない配管職種指導員として就職
・昭和45年(1970年) 職業訓練校の卒業生2人と有限会社 鴻工業所 設立
・平成10年(1998年) 株式会社 鴻工業所に組織変更

◆平成14年(2002年) 優れた技能をもって産業の発展に寄与で静岡県知事賞
◆平成21年(2009年) 厚生労働大臣認定 卓越技能章「現代の名工」
◆平成22年(2010年) 黄綬褒章
◆平成23年(2011年) 静岡県技能マイスター
「現代の名工」とは
卓越した技能者表彰制度に基づき、厚生労働大臣によって表彰された卓越した技能者(卓越技能者)の通称です。
卓越した技能者表彰制度は、技能者の地位と技能水準の向上を図るために、昭和42年(1967年)度に設けられたもの。表彰を受ける者は、都道府県知事や事業者団体などの推薦を受けた候補者の中から、技能者表彰審査委員の意見を聴いた上で、厚生労働大臣によって決定されます。

・・・・・配管工とは・・・・・
配管工とは、安全で快適な生活を営むための上・下水道、給・排水・衛生、空調、冷暖房の設備の設置に不可欠な職種です。普段私たちが暮らしている建築物には、かならず職人が施工した配管設備が組み込まれています。配管技能者は、給排水衛生設備、空気調和設備、冷暖房設備、消火設備などに配管材料を使用して水、油、ガス、蒸気などを送配するための設置工事を行う技能者です。
ライフラインをつくる
配管は、地面の掘削からはじまります。ガス管や水道管などは道路下に埋めることが普通です。これらはライフラインですから、掘削の時、破損させると、多くの住民の日常生活に影響を及ぼします。万が一にもガス漏れなどがあったら大変なことになります。加藤さんは、今は主に現場監督の業務が多いので、掘削時には、油圧ショベルの運転作業員に、口すっぱく注意をうながしています。工事の責任は現場監督が負うからです。

水道管の埋設でもっとも注意しなければならないのは、用意した何本もの埋設管の中心線をそろえることです。接合に狂いがあると、漏水の原因になってしまいます。加藤さんが扱う配管は口径100mm、長さ4mの管が多いということですが、これを図面どおりに接合していくことは、言うほどには容易な作業ではありません。「配管は工事を終えると隠れてしまうので失敗が許されない」ライフラインはわたしたちの暮らしになくてはならない社会資本です。
道具は自分の分身
職人は道具を大事にします。
「大事に扱わないと、いつかその代償が自分に降りかかってくる」と、加藤さんもことのほか道具・工具を大事にしています。「道具を使って、使いっぱなしでは、決していい仕事はできない」と語気を強めます。

ランマーという、地盤を締め固める手持ちの建設機械があります。これは、紐(ひも)を強く引いてエンジンをかけます。手入れをしていないとこの紐が切れかねません。道具は自分の分身です。機械をよく知ると同時に、手入れは職人にとって仕事の大事な一部です。

「道具や工具をマメに手入れすることで、仕事に対する意識も自然と高まるものです」プロ意識の一つだと、加藤さんは若い作業員にさとします。道具に対する思いが新しい道具や工具の開発につながっているのでしょう。加藤さんは、中途半端を嫌います。どんな些細なことにも手を抜くことはもってのほかだと思っています。最後のひと手間、ふた手間を惜しんではうつくしい配管にならないことを知っているからです。
挨拶からはじまる現場
「誠」は、加藤さんの好きな言葉です。
誠意を持って人に接することを信条にしています。朝の現場では、現場に出入りする業者、現場を通りかかる人、もちろん建築主にも、あいさつを欠かしません。あいさつは相手に対する思いやり、気配りのはじまりです。そうしないと、加藤さんたち職人が恐れる現場の労働災害や、工事のミスにもつながりかねません。「人に無愛想に接したら、無愛想がはね返って来る」そうならないためにも、加藤さんはいつもあいさつを大事にしています。

最近は若手の育成が仕事の楽しみの一つとなっているそうです。年1度の技能検定試験前には受講生を集めて予備講習会を開いています。「配管工事は経験が必要な職種だが、個人での育成は難しい。基礎を教える公的な機関が必要」と提言しています。
インタビュー [INTERVIEW]
Question   この仕事を始めたきっかけはなんですか? Answer 父が市役所の水道部にいたのがきっかけです。今、思うと父の影響が大きいと思います。でも、この仕事をやり始めた当初は、冬は寒いし、夏は暑いからいい印象を持ちませんでした。やりつづけていくうちに、自分なりのこだわりもでてきて仕事が楽しく好きになってきました。
Question   この仕事につくためになにが一番必要だと思いますか? Answer お客さまを大事にすることです。人から見えないからといって、絶対に手抜きをしないで、まじめに仕事をすることが、大事で必要なことです。配管工の仕事は、高度な器用さは必要ありませんが、ある程度の器用さは必要になってきます。
Question   この仕事をしていてよかったことはなんですか? Answer この仕事を長い間続けてきたことです。その結果、いろいろな賞をもらえたこともうれしいです。
また、技能検定の講師や講習会などで、人に教えられるようになったこともうれしいことですし、仕事がおわって、お客さまから喜んでもらえることが、何よりもうれしいですね。
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