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紳士服仕立て 安藤 元二 あんどう もとじ [深見洋服店 ] 軽く丈夫で着心地のよい紳士服 動きやすく、疲れにくく、きれいなシルエットで軽く丈夫な服。安藤元二さんは、いつも心がけています。十人十色のお客さまに合わせて、ライフスタイルや好み、作ろうとする服はどんな機会に着ることが多いかなど、お客様の要望をよく聞いたうえで仕立てていきます。
プロフィール [PROFILE]
生年月日…昭和18年(1943年)1月1日
出身地……愛知県豊田市
所在地……[深見洋服店]浜松市中区高町99-2

中学卒業後、豊田市で洋服仕立てを5年間修行。20歳で浜松市の深見洋服店に就職。昭和53年、深見洋服店の2代目店主に就任

◆昭和54年 静岡県洋服技能競技大会 県知事賞
◆平成14年 全日本注文紳士服技術コンクール実技部門経済産業大臣賞
◆平成15年 全日本注文紳士服技術コンクール実技部門内閣総理大臣賞
◆平成16年 卓越技能章 「現代の名工」 厚生労働大臣表彰
◆平成17年 黄綬褒章
◆平成19年 服装文化功労賞(全日本注文洋服協同組合連合会)
◆平成20年 静岡県技能マイスタ-認定
「現代の名工」とは
卓越した技能者表彰制度に基づき、厚生労働大臣によって表彰された卓越した技能者(卓越技能者)の通称です。
卓越した技能者表彰制度は、技能者の地位と技能水準の向上を図るために、昭和42年(1967年)度に設けられたもの。表彰を受ける者は、都道府県知事や事業者団体などの推薦を受けた候補者の中から、技能者表彰審査委員の意見を聴いた上で、厚生労働大臣によって決定されます。

・・・・・紳士服仕立てとは・・・・・
紳士服を布地から裁断、縫製してつくり上げることです。
コミュニケーションは大事な事前準備
安藤さんは、コミュニケーションを大事にしています。
商談に着る機会が多いのか、なにかの表彰式のためか、それともデートやパーティーのためか、これから作る服を着るシーンを思い浮かべて仕立てていきます。コミュニケーションはそのために欠かせない、仕立てのバックグラウンドにしています。こういったことをよく知ったうえで、服地、デザイン、寸法、縫製仕様などを決めていきます。

最近の服装はデザイン重視の傾向が強まっていますが、「デザインを意識して、肝心の寸法が合っていない洋服を選んでしまうと、かえってシワが目立ってしまって、デザインどころか、美しく見えません」と注意します。「良い服地で寸法がぴったり合っている服は、デザインもきれいに見えるし、なによりも着心地がよくて、愛着を持って長く着つづけることができる」と言います。
妥協を捨てて「最良の紳士服」
安藤さんは、自分のズボンをつくって、平地や坂道、階段やスロープを歩きまわったそうです。歩きやすいか、ひざに当たらないか、突っ張るようなところはないか、試しに歩きまわったそうです。気になったところは仕立て直して、また歩く。はき心地がよくなるまで何度も繰り返し体型に合った資料を分類保存し、最適なズボンに仕立て上げる腕を身につけていきました。

修行の一例を話しました。
紳士服仕立て職人としての探究心です。

人の体型のちがい、布地の性質、型紙のつくり方、合理的で理にかなった寸法の取り方、針の運び方、さまざまなことを研究することが大事だと言います。安藤さんにも試行錯誤の時があったはずですが、妥協を捨てて「最良の紳士服とは」を求めつづけました。ズボンの折り目がつねに足の中心にある、タバコをポケットに入れても型崩れしないポケット、ちょっとしたことにも工夫と研究心をいまも忘れていません。
20年、30年着られる丈夫な服
「着れば着るほど体になじんでくる」とお客さまから聞くときがいちばんうれしいと口元がほころびました。洋服生地は、洋服の着方、外気温、湿度、体温によって、また体型によって変化します。こういったことに対応できるように仕立てていくのも、仕立て職人の腕の見せ所です。そのために安藤さんは、寸法をはかる時、筋肉のつき方、骨格の特徴などをもらさず把握して「20年から30年は着られる丈夫な服」をつくっています。

紳士服にも普遍的なデザインがあります。
安藤さんは「2割程度は(流行を)取り入れますが、普遍性のほうに重きを置いて」仕立てることを心がけています。こういった仕立てが、結果的には、体になじんで品があり、丈夫で愛着のある服になっていくのでしょう。よい服を着ると生活、身体にもいい影響が生まれ、「人間性」にもつながっていくはずだと、安藤さんは確信しています。
インタビュー [INTERVIEW]
Question   この仕事を始めたきっかけはなんですか? Answer ものづくりが好きだった。
始めから終わりまで一人でできるものづくりが好きだった。
また、縫い物も好きだったから。
Question   この仕事につくために何が一番必要だと思いますか? Answer 服作りの基礎として、針を使う事を覚えるため、体が覚えるまで練習を続けます、これに一番忍耐力が必要です。デザイン、パターン作りより先ず針使いが必要。
疑問を持ったら探求して作ることです。自分が納得するまでいろいろ試してみて、決して妥協しないことが名工といわれる職人になれます。
Question   この仕事をしていてよかったことはなんですか? Answer 洋服が体になじみ、この洋服を着ると肩がこらない、風邪をひかない、楽しい気持ちになる、いい事いっぱいあった、などと洋服の感想を聞くことが、いちばんうれしい。
Question   ≪作品のご紹介≫ Answer たてのラインが品を生む

やや大柄の体形のかたのモーニングです。きれいに見えるように、肩のラインにシワが出ないように、工夫が凝らされました。ベストがジャケットの襟口から均等にきれいに出ています。ベストとジャケットのボタンも真っ直ぐにそろっています。全体的に縦のラインがスッキリしていて、礼服にふさわしい品が感じられます。ベストは慶弔用に白と黒がつくられています。製作時間は、ズボン、ベストも入れて約50時間だったそうです。
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