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弦楽器製作工 伊藤 敏彦 いとう としひこ [個  人] 苦労や苦心を楽しむ 「一人ではじめからおわりまで、すべてを自分の手でつくりだすことは、大変でもやりがいがあります」。伊藤敏彦さんは、楽器づくりの苦労や苦心をいとわず、むしろ楽しんでいるようです。きっと、工場の生産ラインによる流れ作業では味わえない、「仕事の喜び」を見つけ出しているのでしょう。
プロフィール [PROFILE]
生年月日…昭和22年(1947年)10月23日
出身地……浜松市
所在地……浜松市南区

昭和39年(1964年)ヤマハ株式会社入社。定年後に個人でクラシックギターの製作工房を開き、平成24年(2012年)4月から本格始動を予定。同時にフォークギターの製作もはじめる。

◆平成14年(2002年)静岡県優秀技能者 受賞
◆平成19年(2007年)厚生労働大臣表彰 卓越技能章「現代の名工」
「現代の名工」とは
卓越した技能者表彰制度に基づき、厚生労働大臣によって表彰された卓越した技能者(卓越技能者)の通称です。
卓越した技能者表彰制度は、技能者の地位と技能水準の向上を図るために、昭和42年(1967年)度に設けられたもの。表彰を受ける者は、都道府県知事や事業者団体などの推薦を受けた候補者の中から、技能者表彰審査委員の意見を聴いた上で、厚生労働大臣によって決定されます。


・・・・・弦楽器製作工とは・・・・・
弦楽器(ギター、バイオリンなど)をお客様のご要望に合わせて造り上げる仕事です。

弦楽器とは、弦に何らかの刺激を与えることによって得られる弦の振動を音とする楽器の総称です。ギター。ベース。バイオリン。ビオラなどがよく名前を知られていますが、琴。ハープやピアノも弦楽器の仲間です。
楽器と音色の美
音量を増幅させるボディー(胴)、音程のコントロールを容易にするネック(棹)、運指を容易にするフィンガーボード(指板)、ギターのさまざまなパーツが完璧に調和して、「いい音色」「理想的な音色」という抽象的な感覚が、はじめて具体的な音楽としての音になります。

伊藤さんは、一つひとつの工程に研ぎ澄ました技術を注いで「手作りだからこそ二度とおなじものはつくれない、世界に一つしかないオリジナル・ギターをつくっています」と言います。

ギターのパーツの素材の多くは木です。伊藤さんは、製作の過程で、素材となる木の声を聞き、話しかけながら、その木からギターの音色を引き出します。ギターはポピュラーな楽器です。だから音の良し悪しがだれにでも分かりやすく、またそれだけ奥が深い楽器でもあります。「楽器としてのうつくしさと奏でられた音色の心地よさが、最高にシンクロナイズ(一致)するために妥協はしません」。伊藤さんは、自分がつくったギターは「作品」だと自負しています。
職場の先輩がライバル
ヤマハに手工ギター研究課ができた時、伊藤さんも配属されました。
伊藤さんのいまにつながる節目でした。ここで伊藤さんはライバルにも出会いました。ギター製作のノウハウを学ぶために、ヤマハがスペインに派遣した先輩が戻ってきました。伊藤さんと先輩は互いに切磋琢磨しました。伊藤さんのつくったギターも先輩がつくったギターも、かたちのうつくしさには、変わりはありませんでした。

でも、いざギターを弾いてみると、音色がちがう。
「先輩とはなにがちがうんだろう」。

伊藤さんに欠けていたのは「音の知識」でした。もともと負けず嫌いでしたから、「いい音」が出るように徹底的に研究しました。「いいと思うことはなんでもやった」と、ハイ・クオリティーのギターをつくろうという気持ちをつちかってくれた、おなじ職場の先輩に感謝しています。
工房はおもちゃ箱
伊藤さんの工房は、まるでおもちゃ箱のようです。
さまざまなカンナやノミがならんでいます。ギターを手づくりするだけではありません。ギターをつくるために必要な、ちょっとした機材、ギターの型枠など、ほとんどが手づくりです。カットされた板がボンドでしっかり固定されるまでとめておく、洗濯ばさみのようなものも一目見て手作りだと分かります。

つくれるものは、なんでも自分でつくる。
これを「ものづくりの原点」にしています。

「買ったらお金もかかるしね」「ないものは自分でつくっちゃう」「そんな時代に生まれ育ったから」と笑いますが、そうやってものづくりを楽しんでいるから、「来世でもギターづくりがしたい」と、おもちゃ箱のなかで、自分の幸せもつくっています。
インタビュー [INTERVIEW]
Question   この仕事を始めたきっかけはなんですか? Answer 子どものころから、ものづくりがすごく好きだったから。
Question   この仕事につくためになにが一番必要だと思いますか? Answer 木工、塗装技術を身につける。
Question   この仕事をしていてよかったことはなんですか? Answer 作品(ギター)ができて、お客さんから「ありがとう」と言われて、笑顔で握手された時。
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