静岡県内で、ものづくりに携わる職人・技能者や関連イベントをご紹介
  1. HOME静岡県ものづくり人材図鑑 > 職人・技能者
建築大工 小林 明世 こばやし あきよ [株式会社 小林建設] 日本の伝統的な大工の工法はとても大事です 小林さんは、駿府城東御門を再建するとき棟梁を務めました。電動工具がこの世に出始めてから、昔からの技法や知識を後世につなげていきたいと思い、江戸時代から続く大工に関係する手道具や本などを集め勉強してきました。現代の技術と昔から伝わる技法で東御門の建物を作り上げたそうです。当初はわからない事が多く大変苦労したといいます。
小林さんは言います「大工に大切な事は、常にお客様の立場になって考えること、それと発想の転換が非常に大事になってきます」 
プロフィール [PROFILE]
生年月日…昭和11年(1936年)3月11日
出身地……静岡県静岡市
所在地……[株式会社 小林建設]静岡市駿河区中田本町34-9

昭和27年(1952年) 16歳で稲垣鶴光方に見習として、大工修行をはじめる。
昭和34年(1959年) 建築大工職人として独立
昭和45年(1970年) 株式会社 小林建設設立

◆平成20年(2008年) 厚生労働大臣賞 卓越した技能者「現代の名工」
◆平成21年(2009年) 黄綬褒章
◆平成21年(2009年) 静岡県技能マイスター認定
「現代の名工」とは
卓越した技能者表彰制度に基づき、厚生労働大臣によって表彰された卓越した技能者(卓越技能者)の通称です。
卓越した技能者表彰制度は、技能者の地位と技能水準の向上を図るために、昭和42年(1967年)度に設けられたもの。表彰を受ける者は、都道府県知事や事業者団体などの推薦を受けた候補者の中から、技能者表彰審査委員の意見を聴いた上で、厚生労働大臣によって決定されます。

・・・・・建築大工とは・・・・・
建築大工とは、木造建築物を建築をする技術者の事を言います。建築物というと鉄筋コンクリートを使用した高層ビルなどを思い浮かべる人も多いのですが、建築大工の手掛けるものは木造建築物です。神社仏閣等の文化遺産の修繕、一般住宅や店舗、公共施設、商業施設の新築やリフォームなどを手掛けます。建築大工になるために、特に必要な資格というものはありませんが、一般的には工務店に就職したり、ベテランの建築大工の下に弟子入りをして、修業を積んで行きます。職業訓練校などで、所定の建築大工になるための訓練を積んで工務店などに就職をするという方法もあります。一流の建築大工になるためには、時間をかけて現場での経験を積む事が必須なのです。体力的にタフである事も求められます。
お客さまの気持ちをくみ取り、かたちにする
住宅建築を請け負ったとき、小林さんは「建て主はどんな家に住みたいか」をくみ取るようにしています。
家づくりが職人の自己満足にならないようにお客さまと一緒になって考え、プロとして、さまざまアドバイスをして、かたちにしていきます。

建て主は、わからないことや疑問に思っていることがたくさんあるでしょう、家づくりの専門家から見れば、無理難題と思われることもたくさん出てきます。それらを具体的な住まいにしていくことが「建築技術を持ったプロの役目」と小林さんは思っているのでしょう。

職人としてこだわりや好みは、小林さんにもありますが、まずはお客様の気持ち、家に対する想いを最優先にしています。お客さまが満足する家が、愛着心を育み、結果的には「長持ちする家につながる」と考えています。
釘1本おろそかにしない
「釘1本おろそかにしない」「どんなに工期が短くても手を抜かない」 小林さんの信条です。
だから、やっつけ仕事につながりかねない「手間受け仕事はきらいだ」と言います。

家づくりはお客さまにとっては一生に一度の大仕事です。工事の途中の気づかなかったミスが、完成してからどんなクレームになって返ってくるか、ことの大きさが分かっています。10本釘を打つところは、丁寧に10本釘打つ、職人の当たり前の仕事を大事にしています。いままでの仕事でクレームは一度もなかったことを自慢していません。小林さんは、家づくりの仕事に誇りを持っています。
ひらめき
小林さんは、日本の伝統的な大工の技や道具をつぎの世代にもつなげたいと思っています。江戸から明治・大正にかけて書かれた技能本や道具を集めて、自分の技術にしようと勉強していました。

こんなことがあってか、駿府城東御門復元のとき大工工事の棟梁になりました。屋根の板庇(いたびさし)工事のときでした。木材を継ぎ手仕口という方法で組み上げていくのですが、どうもうまくいきません。小林さんは、昔の大工の棟梁が書き残したさまざまな本を読み返しましたがそのことを書いてある本はありません。東御門の屋根組板庇の工法は思いつきません。要は発想の転換です。ある晩寝る直前に、一つのアイデアがひらめきました。翌日、早速確かめてみました。思ったとおり木材は寸分の狂いもなく組上り、板庇ができあがりました。

いま、わたしたちが見る豪快で堅固、うつくしい東御門は、小林さんたち静岡市の職人たちの想いやさまざまな伝統技法が使われて見事に復元されました。
インタビュー [INTERVIEW]
Question   この仕事を始めたきっかけはなんですか? Answer 近所のおじさんに中学在学中に「卒業したら、うちで働きなさい」と言われて働き始めたのがきっかけです。
昔から工作が好きで竹細工で色々なものを作っていました。
Question   この仕事につくためになにが一番必要だと思いますか? Answer 最後までやり続ける気持ちの強さが大事です。この仕事は決して、楽ではないので我慢強さ、辛抱強さが必要です。それ以外には、わからなければ聞くことです。知りたければ、自分から率先して聞くことが大事です。黙っていて、いつか誰か教えてくれるだろうと待っていてはダメです。
Question   この仕事をしていてよかったことはなんですか? Answer 黄綬褒章や労働大臣賞などをもらえたことです。 
一番嬉しくて良かったことは、この仕事を今まで続けてこれたことです。
Question   小林さんにとって、大工の魅力とは? Answer 大工には、当たり前の考え方から物事を考えてしまうと、新しい技法の発見などができなくなると小林さんは言います。木と木をつなぎ合わせるときも、単純に組み合わせたり、釘を使ったりするのではなく、組み方を工夫することによって、強度も変わってくるそうです。昔からの技法を学び、新しい技法を考えて実践していくことも大工の魅力だと言います。

小林さんは、大工の魅力やものづくりの楽しさを伝えるため、小学校の授業やイベントなどで、木工作業などを教えています。柱の組み合わせ方などを改良して、知恵の輪のようなものを木で作り子ども達にプレゼントなどもしているそうです。
上へ戻る
一つ前へ戻る
各ページ掲載の写真・音声・CG及び記事の無断転載を禁じます。
Copyright © 2011 静岡県ものづくり人材図鑑. All Rights Reserved.