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建具職人 佐次本 武司 さじもと たけし [佐次本木工] 伝統技術と職人技の融合 一般住宅の建具職人として独立して20年たった、45歳のときだった。京都で伝統的な建具を見にいって、その作品のすばらしさと技に感動し衝撃を受け「自分も、こんな建具をつくりたい」、眼を開かれた思いだった。腕はたしかだったから、それからの佐次本武司さんは、「作品」といえるような建具をつぎつぎとつくり出していった。
プロフィール [PROFILE]
生年月日…昭和24年(1949年)3月26日
出身地……静岡県掛川市
所在地……[佐次本木工]掛川市寺島1582

中学校卒業後、10年間の建具職の修行を経て、昭和49年25歳で独立し佐次本木工を設立。

◆平成03年(1991年) 第27回静岡県建具フェア 静岡県知事賞
◆平成07年(1995年) 第14回技能グランプリ第1位 労働大臣賞 受賞
◆平成12年(2000年) 第36回静岡県建具フェア 静岡県知事賞
◆平成20年(2008年) 第39回静岡県建具フェア 静岡県知事賞
◆平成20年(2008年) 静岡県技能マイスター認定
◆平成20年(2008年) 第42回全国建具展示会 北海道知事賞
静岡県技能マイスターとは
静岡県内で優れた技能を有し、全国的な技能競技大会で優勝経験。後進の指導・育成に尽力し、多大な貢献をしている現役の技能者を、有識者等からなるマイスター認定審査会が「静岡県技能マイスター」として認定し、 その活動を通して技能者の社会的評価を高めていくことを目的としています。

・・・・・建具とは・・・・・
建築物の開口部に設けられる開閉機能を持つ仕切り。おもに壁(外周壁や間仕切壁)の開口部に取り付けられて扉や窓として用いられることが多い。用途は、出入口、通風口、採光、遮音、防犯など多岐にわたり、それぞれさまざまなタイプの建具が用いられている。
伝統技術から新しい技術も生み出す
「手作業でできるものは、手作業にする」、佐次本さんのこだわりです。
結果的にはおなじものができるかもしれませんが、人の技が生み出すぬくもりや、巧妙さは手作業ならではのものです。機械では材質感も薄まってしまい、つくるものにメリハリがとぼしくなるのを、佐次本さんはきらっています。画家は、見ているもののなかにさまざまな色を見つけ出して、そのものの質感を表現していきます。佐次本さんも、おなじような目を持っているようです。1本の木にも、部分によって色や硬さにちがいがあるはずです。「この部分に合うのは、この木のこの部分」、佐次本さんは、そこをしっかり見極めるために、手作業で木を削り、たしかめます。

伝統的な技術は、先人たちがさらに優れた技にしようと工夫し磨き上げ、いまに伝わり、いまも使われている技です。「長年やっていると、むかしの技術も少しずつ分かってきますが、とても奥が深く、いまも勉強は欠かせません」、そのうえで「自分なりにアレンジもしています」と、ただ、技を身につけるだけではなく、佐次本さんは、新しい技術も生み出していくことも忘れてはいません
伝える技術と人を育てる
「妥協したら、それだけの作品にしかなりません」と佐次本さんは言います。職人が一つの作品を仕上げようとするとき、完璧な作品に仕上げることを、まず思い描くはずです。佐次本さんも、理想的な出来上がりにするために、手をゆるめることはしません。失敗だと思ったら、それを許さずやり直す、それがいい作品を生み出していきます。

「でも、ぼくだって生身の人間だから、失敗したときや、細かい作業がつづくときは、いやになってしまうこともある」と言いました。佐次本さんが言う「いやになってしまうとき」は、佐次本さんは、どうすればいいのか、考えをめぐらして、答えを見つけ出すための時間です。

そうやって編み出した技を佐次本さんは、自分だけの技術・技能として隠しておく気はありません。「人に教えたところで、自分の技がなくなるものでもない」 

伝えなければならない伝統技術と、受け継いでいく建具職人を一人でも多く育てたいと思っています。
≪作品ご紹介≫
引き戸を屏風仕立てに 

「一富士、二鷹、三茄子」をテーマに、4枚の引き戸を屏風仕立てにした作品。桧、杉、欅など何種類かの木を使い、それぞれの絵柄にあわせて、こまかく加工して一つひとつのピースにして、組み立てています。それぞれの木の持つ色合いもそのまま生かしています。 腰の部分は、木を竹細工のように編み込んでいて、「ここにも注目してほしい」と佐次本さんは言います。制作には、約半年かけました。建具づくりは、根気のいる仕事です。
インタビュー [INTERVIEW]
Question   この仕事を始めたきっかけはなんですか? Answer こどものころから手先が器用だったので、中学校卒業のとき、親にすすめられたのがきっかけです。伝統工芸の建具職人は、仕事をはじめてから約20年位たった45歳くらいのとき、京都で行われた建具の伝統工芸の全国大会を見に行ったのがきっかけです。いままでやってきた建具とは全然違う伝統技術を見て衝撃を受けました。自分もできるようになりたいと思い勉強をはじめました。
Question   この仕事につくためになにが一番必要だと思いますか? Answer 工期を守ること、きれいにつくるといった大人としてのマナーが大事です。それから、わたしのような仕事は、器用さは少しは大切ですが、それよりも「好き」という気持ちがなければできないと思います。
Question   この仕事をしていてよかったことはなんですか? Answer デザインなどもすべて任され、それを建てる家に取り付けて、大工さんやお施主さんに喜んでもらえるのがうれしい。それと、息子が後を継いで一生懸命やっている、これもなによりうれしい。
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