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建築大工 阿形 健二 あがた けんじ [小笠高等職業訓練校] 「地域に根ざした大工を育成する」 阿形健二さんは、建築業を営むと同時に、職業訓練にも力を入れ、小笠高等職業訓練校の校長でもあります。この訓練校は、建築課程、とくに木造建築の技能習得訓練が行われています。昭和48年に設置されましたが、阿形さんもこの訓練校の第1期生です。いまの自分を育ててくれた学校と、常々思っていますから、阿形さんのモットーは「地域に根ざした大工を育成する」です。
プロフィール [PROFILE]
生年月日…昭和23年(1948年)3月2日
出身地……静岡県御前崎市
所在地……[小笠高等職業訓練校]掛川市中3958

中学卒業と同時に神奈川県川崎市の大工の親方に弟子入り
昭和48年(1973年) 小笠高等職業訓練校 入校
昭和51年(1976年) 阿形建築創業
昭和60年(1985年) 小笠高等職業訓練校 指導員
平成 7年(1995年) 小笠建築合同組合副会長
平成17年(2005年) 小笠高等職業訓練校校長に就任

◆平成15年(2003年) (社)全国技能士会連合会 全技連マイスター
◆平成22年(2010年) 職業能力開発に貢献で厚生労働大臣表彰功労賞
全技連マイスターとは
職業能力開発促進法に基づき実施されている技能検定制度の特級・1級又は単一等級の試験に合格した技能士で、20年以上の実務経験と優れた技能及び活動実績を持ち、後進の育成並びに技能の伝承に熱心な技能士であると認定された方です。また、全技連マイスターが単なる名誉的な称号ではなく、現役として後進の指導などの活動に積極的に対応できることが重要な要件であることから、5年毎に更新を行っております。

・・・・・建築大工とは・・・・・
建築大工とは、木造建築物を建築をする技術者の事を言います。建築物というと鉄筋コンクリートを使用した高層ビルなどを思い浮かべる人も多いのですが、建築大工の手掛けるものは木造建築物です。神社仏閣等の文化遺産の修繕、一般住宅や店舗、公共施設、商業施設の新築やリフォームなどを手掛けます。建築大工になるために、特に必要な資格というものはありませんが、一般的には工務店に就職したり、ベテランの建築大工の下に弟子入りをして、修業を積んで行きます。職業訓練校などで、所定の建築大工になるための訓練を積んで工務店などに就職をするという方法もあります。一流の建築大工になるためには、時間をかけて現場での経験を積む事が必須なのです。体力的にタフである事も求められます。
きびしい修行が肥やしに
朝の4時起床、掃除、朝食の用意、弁当づくり、日中は大工仕事、帰宅は夜の11時、床につくのは真夜中。「子守1年、削り3年」「見習いだから見て習え」。阿形さんは、昔ながらの徒弟制度時代の大工の修行をした最後の世代かもしれない。修行はきびしかったが「そのつらさが肥やしになっていまの自分がある」と、得がたい経験をしたことをよろこんでいます。

阿形さんのような大工は、一種の伝統技術だから、何世代にもわたって受け継がれた技術を、正しく受け継ぎ、それを駆使できてはじめて職人と呼ばれます。「いい指導者は多くの経験を積んでいる」と、あっさりと言いましたが、経験を修行と言いかえてみると、その重みがわかります。

小笠職業訓練校の校長となったのも、「恩返しのつもり」だと話し、「自分の経験したこと、見たこと、聞いたこと、すべてを生徒に伝えてあげたい」と話します。阿形さんのまわりには、師承という言葉が生きています。
受け継がれていくもの
わたしたちの暮しに「衣・食・住」の三つは欠かせないものです。
阿形さんも「衣・食・住にかかわる仕事は、なくなってはこまる職業」と、言いました。

建設業は、大昔からある職業です。大阪市には飛鳥時代からつづく企業もあるくらい、産業としても古い歴史を持っています。日本建築は、木を素材にして、わが国固有の建築美を表現してきました。木材を連続的につなげる継手(つぎて)・仕口(しくち)のような巧妙な技術も発達させました。

「高温多湿な日本の気候に合わない家が増えている」「伝統的な日本家屋が減っていく」「核家族化で建築戸数は増加したが、風格のある家は少なくなった」 と、阿形さんたちのような、ほんとうの大工職人の腕が思う存分振るえる機会が、少なくなってきたことを残念に思っています。
心にとめておいて欲しいもの
「(必要な)資格は全部取るべき。必要ないものはない」
「更地から一軒の家を建てるが大工の醍醐味」
「日々刻々と変化する事柄にすべて目をくばれ」
「おなじ釘を打つにしても、おなじ場所に打つことはない」
「良い悪いの判断ができる一人前になるまでは人に従うことが重要」
「なろうと思ったら、3年はつづけろ」
「(家づくりは)完成してできあがりではない。家主との付き合いはその後もつづく」
「人より多くの競争がみずからをきたえる原動力になる」
「常に目標を持て、目標を持っていなければ努力もしない」
 インタビューで聞いた阿形さん語録です。職人の格言と言ってもいいようです。
インタビュー [INTERVIEW]
Question   この仕事を始めたきっかけはなんですか? Answer 伯父さんが大工だったから、影響を受けて。
Question   この仕事につくためになにが必要と思いますか? Answer 自分でやろうとする気持ち。
責任と誇り。
自分の道を究める心。
Question   この仕事をしていてよかったことはなんですか? Answer 完成したときの優越感。
自分の仕事に誇りを持った同志が自然と集まったこと。
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