静岡県内で、ものづくりに携わる職人・技能者や関連イベントをご紹介
  1. HOME静岡県ものづくり人材図鑑 > 職人・技能者
広告美術 杉山 守雄 すぎやま  もりお [スギヤマ工芸] 「好きだからつづけてきた」 杉山守雄さんは、全国技能士会連合会(全技連)が認定するマイスターです。広告美術では静岡県内に2人しかいません。この仕事につくきっかけになった、小学生のころ教室の黒板に描いた落書き程度の絵を先生にほめられたことを、いまも忘れていません。手描きからカッティングシートを使った看板まで手がける杉山さんは「絵を描くこと、アイデアを膨らませることが好き」だった、こどものころの気持ちを今も持ちつづけています。
プロフィール [PROFILE]
生年月日…昭和15年(1940年)10月16日
出身地……静岡県焼津市
所在地……[スギヤマ工芸]静岡市清水区下野町11-6

平成08年(1996年) 広告美術仕上げ一級技能検定合格
平成15年(2003年) 静岡県優秀技能士県知事表彰
平成19年(2007年) 全技連マイスター認定
平成20年(2008年) 静岡県技能士会連合会広告美術技能士会長 就任

◆平成10年(1998年) 技能競技大会 最優秀賞(県知事表彰)
◆平成17年(2005年) 技能競技大会 最優秀賞(県知事表彰)
◆平成18年(2006年) 技能競技大会 最優秀賞(県知事表彰)
全技連マイスターとは
職業能力開発促進法に基づき実施されている技能検定制度の特級・1級又は単一等級の試験に合格した技能士で、20年以上の実務経験と優れた技能及び活動実績を持ち、後進の育成並びに技能の伝承に熱心な技能士であると認定された方です。

・・・・・・広告美術とは・・・・・ 
「広告美術」とは、分かりやすくいうと屋外に設置されている「広告看板」のことです。30年程前までは、映画館などの『絵を描く』看板と商店の看板などの『文字を書く』看板を中心としていました。
仕事内容は、文字・図柄等の構成・割付、美的な広告面の仕上げなどです。現在はコンピュータ化が進んでおり、パソコンを使用したデザイン制作が主流となりつつあります。
マイナス5%はつぎの作品への意欲
「作品の満足度は、いつも95%、どれだけ制作しても100%ではない」と杉山さんは言います。でも、5%はマイナスではなく、つぎの作品への創造意欲、アイデアの、技量の溜めなどで、仕上げた作品への悔いや手抜きではなく、創造意欲として自分のなかに取り置く心構えなのでしょう。

杉山さんの作品で、世界文化遺産の「熊野古道」があります。これも手描きのサインアートです。高い木々の森を抜けると石灯籠がある明るい開けた場所に出ます。木々の間から透けて見える青い空、大木が生い茂るあいだを抜けていく苔むした道。どうしたら画面に奥行きを持たせるか、杉山さんは苦心しました。空の色が青すぎたり、森の中を暗くしすぎても、熊野古道の空間が持つ独特の大気の光の色合いが出なくなってしまいそうで、何度も何度も書き直したそうです。頭のなかで思っている色がストレートに画面にあらわすのはむずかしいことです。

「自分の思いどおりの色はなかなかできない」と苦笑いです。だから、自己評価はいつも95%です。
個性まで見とおす職人の目
杉山さんは、静岡県職業能力開発課が県内の小・中学校を対象に開催している「WAZAチャレンジ教室」の切り文字部門で、講師を勤めています。

広告美術業界の今の主流は、カッティングシートを使ったPRポスターや看板、会社のロゴステッカーなどです。この教室でもカッティングシートを使って、サインアートの基本的な作業を行います。曲線のカッティングがむずかしい工程ですから、まずその技術をおぼえてもらいます。カットの仕方になれたら、お手本となる作品を選んで、カーボン紙で下絵を描いていきます。カッティングシートはさまざまな色があります。蛍光色や金、シルバーといった特殊な色合いを持った製品もあります。

おなじ作品を選んでも、カッティングシートの色調によって個性が出て、教えていておもしろく、こどもたちの個性がわかる、 と杉山さんは言います。

職人の目は、そういったことまで見とおしてしまうのでしょうか。  
読み取るメッセージ
一階の作業場で手書きで描かれた作品を見ながら話を聞いていたとき、杉山さんの手書きによるポスター製作にかける情熱が強く感じられた。

なかなか最近は手描き作品のオーダーは少なくなってきている中で、手描きの作品に求められるものは「描かれないメッセージ」が感じられることです。作品には題材となる「テーマに沿った絵」があり、また訴えかける「見えるメッセージ」がある。

手描きの作品にはそれにプラスして作品を手がける各々の気持ちがどれだけ入るかで全く違った作品になってくる。つまり「描かれないメッセージ」がどれだけ作品を見た人の心の中にリアルに描き出されるか?そこが求められる部分であり、杉山さんも追及されているところなんだと感じました。

日々変わっていく時代にあっても自分が求めるところは常に普遍であり、最高のものを作りたいという気持ちが大切です。決して満足することなしに飽くなき探究心と創造する気持ちを持ち続けることが何においても重要なことだと改めて気づかせていただきました。
インタビュー [INTERVIEW]
Question   この仕事を始めたきっかけはなんですか? Answer 小学生の頃、黒板に描いた絵が先生にほめられた事がきっかけです。
絵を描くことがもともと好きだった事もあり、この業界に入りました。
Question   この仕事につくためになにが一番必要だと思いますか? Answer 絵を描くことが好きな気持ち。
あきらめめない努力。上には上がいる、だから、挑戦してみる!
Question   この仕事をしていてよかったことはなんですか? Answer 色々な仕事を経験できたこと。
映画の看板をはじめ、人の目に触れる仕事に満足感がとてもある。
遠くから見えるよう、工場の屋根に大きな文字を描いた事。
Question   子供たちへのメッセージをお願いします。 Answer なにをするにもそれを自分が好きであること!
そしてあきらめないこと!
やり遂げる信念を持つことが大切!
上へ戻る
一つ前へ戻る
各ページ掲載の写真・音声・CG及び記事の無断転載を禁じます。
Copyright © 2011 静岡県ものづくり人材図鑑. All Rights Reserved.